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私は身に付けるアートとしてジュエリーを作っており、新しい技法を求めていた時、バスケタリーに出会いました。ジュエリーなどの金属加工の場合、まずデザインし、それに沿って加工する事が多いのですが、バスケタリーでは素材と組織によって形が作られる事、またその発見を追及する造形である事が、私にとって新鮮でした。自然素材も好きなのですが、慣れ親しんでいる金属を素材として編み組みを試みています。金属と一言でいっても多くの種類があり、その性質や線の太さが技法と合うかという事を把握するまで、試行錯誤を繰り返しました。また既存の形を金属に置き換えただけではないオリジナリティが必要であり、自分のイメージが表現できるかという事も問題でした。

いのち

金属の細線は加工によって様々な表情を見せます。金属線の持つ美しさを生かした造形の可能性を求めています。
ステンレススチールを平らな芯に巻き付けた後芯を抜き、コイル状のステンレススチールを引っ張って伸ばします。するとステンレススチールに折れ目が付き、互いに絡まり易くなります。その絡まる性質によって球体を作ってみました。
無機質の球体ですが、何か命があるように感じ、細胞分裂して増殖し、成長していく様を表現出来たら面白いのではないかと考えて、この作品を制作しました。また、彩色による効果も取り入れています。

ステンレス線  巻く・絡める 25×25×15cm  2016年

解き放たれた形

撚った銅線を使って組んでいます。最初は2本合わせ、次は1本、次は撚った線を解いていきます。すると中心は塊の様相を見せ、次第に解放されて軽やかな表情を持った形になります。
水滴が水面から飛び散る様子や、太陽から光線が発せられる様子を表現しました。

  • 解き放たれた形
  • 解き放たれた形

スカーフ・ネックレス

ジュエリーはアート・クラフト・ファッションの融合したもので、その境目は無いと思っています。これはバスケタリー技法によって作られた、スカーフの様に首に巻きつけるネックレスです。バスケタリーのプレイティングとプライ・スプリット技法を使っており、リボン状の線材をねじることによる表情の変化にも魅力を感じています。

  • スカーフネックレス
  • スカーフネックレス

細長い楕円型の芯にステンレス線をコイル状に巻き、芯をはずしてステンレス線にアルミの薄い平角線を縦方向に巻き付けています。アルミ線の幅の分ずつステンレス線がねじれてくる事、またアルミ線を巻く間隔を変えることで、山の部分が大きくなり、うねりが出来る事に興味を感じました。オブジェとして魅力的であり、身に着けてさらに美しい造形を目指しています。環・・・ひとめぐりすること。もとへもどること。かえすこと。

環

くるくる

金属というと、無機質な材料であり、硬い・冷たい・扱いにくいというイメージがあるかもしれません。
しかし、金属は扱い方によって、様々な表情を見せます。硬いステンレス線を芯材に巻きつけると、反発によりとげとげした形になります。しかし焼き鈍す事によって反発は無くなり、柔らかな生き物の様に見えてきます。
それは、私の手を離れて増殖していくかのようです。
金属と向き合い、その様々な変化を楽しんでいます。

  • 解き放たれた形
  • くるくる
  • くるくる

しゃぼんシリーズ

しゃぼん玉は自然の摂理によって、美しい球になります。バネ性のある線材を、外向きにはねる力を互いに押さえつけるように組んでいくと、必然的に球形になります。
ステンレスのテンションを生かして乱れ編みにし、補助の役目とデザインポイントとして、金属ビーズを用いました。金属加工の場合、接合は合金を熱で溶かして付けますが、熱をかけられない素材や熱によって金属が鈍ってしまうのを防ぐ事が、組による造形によって可能です。バスケタリーの奥の深さと可能性を感じています。
しゃぼん球のキラキラ・フワフワした美しさを、ジュエリーとしてとどめました。

  • しゃぼん1
  • しゃぼん2
  • くるくる